マイセン磁器の製造について

マイセンの歴史

第3回 マイセン磁器の製造工程とその技術

マイセンにおける伝統とは、すなわち恒久的な成功です。
その成功の前提は総合的な枠組みの中でつくられねばならないのです。

マイセン工場で働く人々の熟練、彼らの受けた教育と能力、これらは成功を形作る鎖の重要な一環一環であります。同じくその前提とは、芸術的に一歩先んじること、そして磨きぬかれた磁器生産技術の知識を体得することなのです。

そして、マイセン磁器の最後の鍵となるのは、工場内の作業グループ全体が一つ一つの製品の品質に対して妥協のない姿勢でのぞむことです。
ここではマイセン磁器工場の幅広い作業の中から主要な作業行程である原料生成から、磁器素地生成絵付け、仕上げまでを述べていきたいと思います。

1.原料生成

磁器は天然珪酸塩からなる原料素地が高温過程で変化して出来ます。
一般的に、磁器素地を構成する混合要素であるカオリン、長石、及び水晶を処理することで精細度が得られます。

マイセン磁器はカオリン含有率が約65%と硬質磁器では独特なものなのです。カオリンは200年以上にわたりマイセン近郊にある工場専属の採掘場から取り出されます。
カオリン祖原料はスラッジ法と呼ばれる方法で砂や塊状岩石から分離され、6〜8週間保存されています。
その後、懸濁素地液の水分は求められる加工性質に応じて、圧搾除水機で水分量24〜28%まで脱水され、土練機によって棒状に加工されます。

棒状素地は、最低3ヶ月間湿度の高い地下倉庫で貯蔵され、その後、ろくろ師や陶工師により様々な磁器製品が作り出されることになるのです。

左 : 工程1.磁土の採掘
右 : 工程2.砂利や粗粒を泥漿状に調整

工程3.圧搾除水機で余分の水分の除去

左 : 工程4.仕上がった土の除去
右 : 工程5.土練機による作業

2.磁器原型成形

磁器素地からまず最初に、いわゆる鈴型と呼ばれる原型が形造られます。
鈴型はそのタイプによって「空洞鈴」と「密閉鈴」に分けられます。ろくろ師は、ろくろ台を足で回転させながら水と指先を巧みに使い「空洞鈴」をしだいに上へ上げていくのです。

外側面に出てくる泥土から出る水気は、金属ナイフを使って取り除かれます。この後、この「空洞鈴」はろくろ台から外されます。
この「空洞鈴」は陶工師によって石こう型に押し込まれます。石こう型の内部はレリーフが施されており、陶工師は小さな湿ったスポンジを使って石こう型の壁へしっかりと押し込んでいきます。その際に余分な磁器素地は慎重に取り除かれます。

このようにして形成された磁器素地は約30分間石こう型の中へ静置されます。磁器素地の水分が石こう型に吸収され楽に取り出せる程小さくなります。最後に液状磁器素地「泥土」を使い全部分の形をきれいに整え室温で、再度感想させます。
乾燥させた後は950度の白熱で地焼きされます。

左 : 工程1.轆轤による成形
右 : 工程2.石膏型による成形

3.地塗り絵付け

地塗り絵付けは950度で地焼きされた磁器に絵の具を使い絵付けされます。
使われる絵の具は1400度を超える2度目焼きに耐えられる特殊な絵の具が使われます。マイセンの地塗り絵の具として最も有名なのがコバルトブルーで、18世紀後半から使われています。

その代表の絵柄が世界的に有名な青色の「玉葱模様」です。この模様は、東アジアの要素を取り入れて1739年にマイセンで発案されたものです。

この「玉葱模様」に描かれているのは、果物の桃とざくろなのですが、ざくろは抽象化され、「玉葱模様」(ブルーオニオン)とよばれるようになりました。

この飾りは対象物毎に配置が固定されたいわゆる「連帯模様」で絵付師は装飾表面に連帯模様の輪郭を写し取ります。
写し取りには金属箔が使用され、この金属箔を磁器の上において木炭粉をふりかけます。この様にすることで磁器に模様の輪郭が写し取られるので、時間をかけて模様を配置する手間が省かれます。

そこに水で溶かしたコバルトをいろんなサイズの絵筆を使って絵付けしていきます。この作業は熟練技術を要する作業です。
地焼きした磁器は多孔性のため、水性絵の具は直ちに浸透し修正が許されないからです。この後、うわぐすりに漬けられた多孔性磁器の表面はうわぐすりを吸収して模様全体が白色のうわぐすり層で被われます。
うわぐすりは2度目焼きで透明になり、鮮明な青色がはっきりと映し出されます。このようにして模様は透明なうわぐすりによって保護されるのです。

1723年以来どのマイセン磁器にも双剣マークがコバルトブルーの地塗りで手描きで絵付けされています。有名な青の双剣マークは、不正に手が加えられないようにうわぐすりが守っているのです。

「玉葱模様」(ブルーオニオン)は世界中で数多くのメーカーが製造していますが、しかし、手作業で絵付けされているのはマイセンだけです。
絵付けとうわぐすり作業が済んだあと、36時間ガス窯で焼かれます。

出典 : 「マイセン磁器」国立マイセン磁器公団史料編纂室 (監修 三上次雄・吹田安雄)敬称略

■実店舗ブログ - 店舗独自のキャンペーンなどお得な情報をお知らせしております。